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はやぶさ2衝突実験「これ以上望むものがない成功」 小惑星成り立ちにも迫る - 毎日新聞 - 毎日新聞

「はやぶさ2」から分離されたDCAM3がとらえた画像。SCIが作動してリュウグウに衝突し、リュウグウ表面からの噴出物の様子が確認できる=2019年4月5日午前11時36分、JAXA、神戸大など提供

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウに銅の塊を高速で撃ち込み、人工クレーターを作る実験に成功したと発表した。銅の塊が着弾した際、探査機から切り離した小型カメラが小惑星の表面から飛び散る砂やちりなどの放出物を撮影した。宇宙空間の衝突実験はこれまでに彗星(すいせい)や月での成功例があるが、小惑星では世界で初めて。

 JAXAによると、同日午前10時56分、リュウグウの上空約500メートルで、銅の塊を発射する衝突装置を機体から分離。40分後の午前11時36分、タイマーで起爆し、目標の赤道付近に向けて銅の塊を撃ち出した。発射に伴って飛び散る装置やリュウグウの破片に当たらないよう、探査機はリュウグウの陰に退避。その途中で小型カメラを切り離し、衝突の1~2秒後、放出物が飛散する様子を撮影した。

 放出物は高さ70~80メートルまで舞い上がり、JAXAはクレーターが形成された可能性が高いとみている。衝突装置の分離以降は自動で実行された。津田雄一プロジェクトマネジャーは記者会見で「繰り返しの利かない運用だったが、すべて計画通りにいった。これ以上望むものがない成功だ」と胸を張った。

 実験は、太陽風などによる風化の影響が少ない地下の岩石を露出させ、上空から観測したり、太陽系誕生時の状態をとどめる可能性のある岩石を採取したりするのが主な目的。クレーターの形状などから、他の天体と衝突を繰り返す小惑星の成り立ちにも迫りたい考えだ。

 4月下旬に探査機本体が上空から観測し、クレーターの形状などを確認する。さらに周辺に着陸して岩石の採取が可能かどうか判断するが、起伏が激しいため、安全面から着陸を見送る可能性もある。

 はやぶさ2は2014年に打ち上げられ、昨年6月にリュウグウに到着。今年2月には着陸に成功し、表面の岩石を採取できたとみられる。今年11~12月にリュウグウを出発し、20年末に岩石の入ったカプセルを地球に帰還させる予定。【池田知広】

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https://mainichi.jp/articles/20190405/k00/00m/040/278000c

2019-04-05 11:31:00Z
52781646409369

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