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太古の「百獣の王」、新種の絶滅哺乳類を発見 - ナショナル ジオグラフィック日本版

シンバクブワ・クトカアフリカはヒアエノドン科という絶滅哺乳類のグループに属する大型肉食獣で、あごの大部分と頭骨、骨格の一部がケニアで見つかっていた。(ILLUSTRATION BY MAURICIO ANTON)

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 アフリカ、ケニアのナイロビ国立博物館の引き出しに何十年も保管されていた化石が、新たな分析により、ホッキョクグマより大きい絶滅動物であると判明。新種「シンバクブワ・クトカアフリカ(Simbakubwa kutokaafrika)」と命名され、古脊椎動物の学術誌『Journal of Vertebrate Paleontology』に発表された。

 論文によると、この強力な捕食者が地上をのし歩いていたのは今から約2200万年前のこと。シンバクブワはスワヒリ語で「大きいライオン」という意味だが、この動物はネコ科動物ではなく、ヒアエノドン科という肉食哺乳類のグループに属している。ちなみに、ヒアエノドンという名称は、その歯がハイエナに似ていることに由来しているが、ハイエナとも別のグループだ。(参考記事:「シベリアで氷河期の絶滅ライオン見つかる」

 今回の発見は、当時のアフリカの生態系の頂点付近にいたヒアエノドンの進化について知る手がかりとなるほか、これらの頂点捕食者が最終的に生き残れなかった理由の解明にも役立つ可能性がある。(参考記事:「類人猿ギガントピテクス、大きすぎて絶滅していた」

現代人とシンバクブワ・クトカアフリカの体の大きさを比較した図。(ILLUSTRATION BY MAURICIO ANTON)

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 米ニューヨーク州立大学バッファロー校の進化生物学者ジャック・ツェン氏は、今回の発見について「これまであまり知られていなかった肉食捕食者を表に出す良い機会です。ライオン、ハイエナ、オオカミなど、今日のおなじみの食肉目の祖先さえ登場していなかった時代には、支配的な捕食者はヒアエノドンでした」と語る。氏は今回の研究に参加していない。

肉を引き裂く歯が3対も

 2013年、古生物学者のマシュー・ボーツ氏は、ヒアエノドンに関する学位論文のためナイロビの博物館で調査していた。ある日、「ハイエナ」と書かれた引き出しの中に、変わった化石を見つけた。

 その化石は、1978年から1980年にかけてケニア西部で発掘されたものだった。ボーツ氏は早速、米オハイオ大学の古生物学者で、アフリカの古脊椎動物を研究しているナンシー・スティーブンス氏に連絡を取った。実はスティーブンス氏も、ナイロビで研究していたときに同じ引き出しを開けて、その中身に首を傾げたことがあったと打ち明けた。

次ページ:「彼らは肉切りナイフをたくさん持っているのです」

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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/042200244/

2019-04-22 08:00:47Z
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