宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」に金属弾を撃ち込み、地表にクレーター(くぼ地)をつくる実験を5日午前に実施すると発表した。小惑星に人工クレーターをつくり着陸も目指す試みは世界初。この実験の成否は日本が小惑星探査で世界をリードするための正念場となる。
都内で会見したJAXA宇宙科学研究所の久保田孝研究総主幹は「(初代探査機の)はやぶさがやってこなかった新しい試みになる。準備もリハーサルもしてきた。人事を尽くして天命を待つ心境」と語った。
小惑星の地中は宇宙線や太陽光の影響を受けにくく、太陽系が生まれた46億年前の痕跡が残るとされる。人工的にクレーターをつくり内部の岩石や砂をむき出しにする。状況次第では着陸して地中にあった物質の採取にも挑む。
りゅうぐうに撃ち込む金属弾は銅製で重さは2キログラム。5日午前11時13分に金属弾を収めた装置を機体から切り離し、11時53分に装置から金属弾を発射する。爆薬を破裂させ、弾丸は瞬時に秒速2キロメートルに加速。地表の岩石が飛び散り、直径数メートルのクレーターができると見込む。2月22日の着陸地点とは別の場所を狙う。
はやぶさ2は爆発の影響を受けないよう、りゅうぐうから約3.5キロメートル離れた場所に移動する。衝突の様子は事前に切り離した遠隔カメラで撮影する。はやぶさ2はすぐにクレーターの上空には戻らず、約2週間かけて高度約20キロメートルまで上昇。衝突の結果を上空から観察するのは4月下旬になる見通しだ。
分離した装置からの金属弾の発射、分離したカメラによる撮影、爆発の回避、クレーターへの着陸という一連のミッションは難度が高い。米航空宇宙局(NASA)の探査機「ディープインパクト」が2005年に彗星(すいせい)へ観測機器を衝突させ、飛び散った物質を観測したが、着陸や採取はしていない。
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43229940S9A400C1CR8000/
2019-04-02 06:59:00Z
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