宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2024年の探査機打ち上げを目指す火星衛星探査計画(MMX)で、着陸・試料採取の対象を火星の衛星「フォボス」(直径約23キロ)に正式決定した。文部科学省で19日開かれた宇宙開発利用部会に報告した。
MMXは火星の衛星から試料を持ち帰る世界初の計画。かつて水があったとされる火星の歴史などを調べる。火星にはフォボスとダイモス(直径約12キロ)の二つの衛星があるが、これまでJAXAは科学的な観点から火星により近いフォボスを中心に検討を進めていた。
探査機は24年にH3ロケットで打ち上げ後、25年に火星近傍に到着。約3年かけてフォボスへの着陸・試料採取やダイモスの観測などを行う。29年に地球に帰還し、試料を収めたカプセルを投下する。
JAXAの川勝康弘プロジェクトマネジャーは「いずれの衛星も科学的価値は大きいが、より深い観測ができるフォボスは魅力的。技術的な見通しも立った」と述べた。
【了】
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2020-02-19 12:10:10Z
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